天野:習い方の順番も、英語の文法より会話を先にやった方がいいですよね(笑)。向こうの赤ちゃんでさえ、文法なんか気にせず話してるわけですよね。
安河内:これからだんだんそういう風になっていきます。
天野:でも、そうなるような急激な変革は難しいのですか。
安河内:いや、かなり急にやっていくと思います。一応ひとつの目途として、2020年の東京オリンピックに向けて、6年くらいがちょうどいいんですよね。徐々に徐々に変革をして2020年くらいに完成すると。改革の目玉というのは二つあって、一つは小学校から英語が始まる教室改革、つまり生徒中心型の授業に変えていきましょうと。
天野:それは、さっき言っていた参加させるということですね。
安河内:生徒参加型、中心型の。いつも言うんですけど、生徒がニコニコ、ゲラゲラ笑っている授業にしたいんですよ。国もそうしたいし、今みたいにしかめっ面でノートとっててしかめっ面の先生がしゃべっている授業ではなくて、生徒がたくさん声を出してゲラゲラ笑いながら楽しくディベートをしたり、プレゼンテーションをしたり、会話をしたり、生徒が常に参加している、動きのある授業をやっていこうっていうのが、一つの柱です。二つ目の柱は、やっぱり大学入試ですよね。大学入試が読み書きだけのペーパーテストでしょ。大学入試をちゃんとパソコンと対面で会話をしたりとか、あと面接官と会話をしてそれがちゃんと点数になったりとか。
天野:実用的な感じの。
安河内:私たちの言葉でいうと四技能(よんぎのう)テストっていうんですけど、読み書き聞く話す、四つ全部が入っている日本語を使わない英語だけのテストをしましょうと。
天野:今だったら日本はこの四つができていないということですよね。
安河内:できていないですね。今は80%以上が読む問題、文法の問題、和訳の問題…。
天野:読むのは、日本は強いんですか。
安河内:読むのは…実はそれほど強いというほどではない。
天野:(笑)。じゃ、どこも強くない。
安河内:四つやった方が全部が強くなるんです。
天野:そういうことか。
安河内:お互いに助けあって伸びるものなんで、一つだけやってるとものすごく中途半端になるんですよね。
天野:ということは、僕単純に思ってたんですけど、まずしゃべりたいから英会話だけを最初にガツンとやった方がいいのかなと思うけど、そうでもないということですか。
安河内:話すためには、ある程度読めなくちゃいけないですよね。
天野:そりゃそうですね。確かに。
安河内:お互いに四つの事が補完し合うんですよ。
天野:補いながらやっていくと。
安河内:一番全部の技能がよく育つのは、話すということだと思います。論理的に話すためには読めなくちゃいけないし、きちんとした英語が話せる人はある程度書けるから、で、話せるということはある程度聞けないと話せないので。
天野:結局全部やらなきゃいけないということに落ち着くけども。
安河内:最終的に話すことを目指すと一番英語はできるようになりますね。
天野:そうですよね。
《編集チーム》★企画・プロデュース
・渡辺龍太【編集長の秘書】
・池澤亮太【デスク】