秘書:では最初に、家入さんが起業や投資にのめり込んでいった背景など教えてください。
家入:僕が最初に起業したのが、20歳とか21歳なんですよ。それまでに何度か就職はしたんですけど、最終的にクビになるというのを2、3度経験して、自分で何かやるしか生きていけないんだなと気付いて。
天野:そこがまず偉いですね。そうならないで、ずっと内側にこもって終わっちゃう人もいるでしょう。
家入:そうなりかけてたんですよね。ちょうど出会い系で嫁と知り合って結婚したんですよ。
天野:すごい。次にどうやって生きていこうかということを考える前に結婚したんですか!
家入:結婚しちゃったんですよ。
天野:その順番がすごいですね。
家入:出会ってあっという間でしたね。会って数か月で。
天野:それは同じ共通項というか、意気投合する何かがネット上の会話の中で?
家入:そうですね。ずっとネットでやりとりしていて面白い子だなと思っていたので。初めて会ったときから初めての感じしなかったんで。
天野:俺の考えで…もう古臭いけど、やっぱり人は会ってナンボだろうというのがあるのだけど。逆に会うことよりも、ネットの方が真実の会話ができたみたいなところがあるんですか。
家入:どっちが真実かというのはアレですけど。ネットだから会話できることもあったりとか、リアルだから語りあえることもあると思うんで、だから出会いのきっかけは何でもいいのかなと思うんですよね。
天野:家入さんがしゃべりやすいものとして、ネットがあったというわけか。
家入:僕は引きこもりだったので、対人恐怖症みたいだったんですよ。女性に対して苦手意識がすごく強くて、目も合わせられないし。でも、メールだとちょっと調子のって面白いこととか言えたんです。
天野:別の自分になるとかいう感覚よりも、全てをさらけだせるというか。
家入:一面という感じですかね。もともと引きこもりになる前、いじめに会う前は結構お調子者キャラだったので。それがいじめで引きこもりになってしまい、人と顔を合わせるのができなくなっちゃって。でも、メールとかチャットとかだと…。
天野:お調子者の感じになれると。それで、奥さんと楽しく会話ができるようになって、実際会おうと?
家入:そうですね。その時には、お互いある程度前情報を入手している状態なので。
天野:データは知っている状態(笑)。
家入:きっと何も知らずに会ってたら、ただの挙動不審なおっさんだったと思うんですよね。
天野:(笑)。じゃあ逆にしゃべりやすかった?
家入:そうですね。
天野:そう考えると、必要なツールなのかとも思うね(笑)。
家入:そうですね。最近だと出会い系という言葉も死語になるくらい。
天野:そういうことがきっかけの一つだという感覚もないのね。古いんだよ。だから俺なんか(笑)。
家入:いえいえ。
天野:「えぇっ!ネットで!?」ってなっちゃう。
家入:サービス側で問題が起きないような仕組み…例えば”肉会”といって焼肉を食べに行く会なんですが、2対2のやつとか。
天野:がっつりのお見合いじゃないけど、ちょっと枠をゆるくして会うような感覚とか。
家入:実際やっぱそれで付き合うきっかけになったりとか。
天野:コミュニケーションになってるんだね。それで話しも合うからすぐに結婚しようかと。
家入:そうですね。