《対談:天野ひろゆき×本村健太郎》
天野:本村先生は、暗記力とか生まれ持ったものがあるんだろうね。
俺はね、暗記力は悪いんだよね。記憶力が悪いというか、僕の弱点ってなんだけど、人と話していても先を考えるし、その話を俯瞰で見るんだよね。
そういう俯瞰の自分が常にいるんだ。だから、台本も大体こういうことを言いたいんだって理解した時に、もう記憶しようという脳は止まるんだ(笑)
だから、大体で覚えるわけ。
それでも、漫才はそれでいいと思うわけ。一言一句、毎回思うことも違うし、自分の言葉じゃなくなっちゃうから。
そもそも、僕の漫才なんかはツッコミの言葉は書かないんですよ。フリの細かい文字も。
ウドちゃんはその言葉の語尾で覚えてるから、ポカンとしちゃうときもあるんだけど。
でもその時のリアリティじゃないけど、俺らはフリートークから漫才の移行が分からないと言われるのはきっとそれなんだよね。
俺がその場で考えてる言葉を言っているっぽいから。
それは一つの形としてアリだと思うんだけど、だからきっちり覚えなきゃいけない舞台とか、超!大変だったね。
一言一句。一回、後ろに字幕が出る舞台があって、お客さんは分かってるわけよ。めっちゃ大変だったね、長台詞。
そういう時は、とにかく反復しかないね。
だから、そのスイッチを入れるんだね。
大体でいいやと思わない。「これは絶対覚えるしかないんだ」で行く。そのスイッチだね。
あと、最近本当に覚えられないから、自分の声をレコーディングしたりとか、とにかく反復だね。
きっと勉強での暗記も、結局はそうするしかないんじゃないかな。歴史の年号でも、難しい英単語でも。
そうそう、ウドちゃんもiPhoneでレコーディングをやり始めたもんね。
ただ、漫才は一生そうはしないね。作りものじゃなくてその時の感覚で行きたいから。
おさらいPOINT!:暗記はとにかく反復あるのみ!